企業がマーケティング活動の1つとしておこなう『アンケート調査』。回答してくれたモニターへの謝礼は用意していますか?アンケートモニターへの謝礼はデータに影響する可能性もあり、しっかり検討したいですよね。しかし、「いくらの謝礼を用意すべき?」「何を渡せば良い?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、アンケートモニターの謝礼相場や種類についてご紹介します。
贈る際の注意点も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも企業が行うアンケートは、自社が扱う商品や新商品への意見を集めて、「より良いサービスの提供」につなげるための施策です。そのアンケートへの回答者が『アンケートモニター』となりますが、最近では、パソコンやスマートフォンを使って回答できるものも増えています。なかには回答者に景品と交換できるポイントや現金を報酬とするなど、主婦やサラリーマン、学生など幅広い世代に向けたアンケートが日々実施されています
アンケートは比較的、調査しやすいマーケティング方法であり、商品改良や開発の方向性を決めるのに役立てられるのが特長!調査したデータを数値化することもできるので、信頼度の高い結果に期待できます。
企業が実施するアンケートには、さまざまな形式のものがあります。
以下にアンケートの種類とそれぞれの謝礼相場をまとめました。
種類 | 調査の仕方 | 謝礼相場 |
---|---|---|
Webアンケート | ネット上で質問に回答していただく | 1円〜(数百円程度) |
郵送アンケート | アンケート用紙を郵送し回答を返送していただく | 300円〜1,500円 |
電話アンケート | お電話をかけて質問に回答していただく | 300円〜1,500円 |
トライアルモニター | 試供品を渡して使用感を教えていただく | 500円〜5,000円 |
会場調査 | 指定の会場にお越しいただきアンケートに回答いただく | 2,000円〜5,000円 |
トライアルモニターや会場調査のように、参加型のモニターは他のアンケート形式に比べて謝礼相場が高い傾向にあります。また、会場調査のように現地に足を運ぶ場合、会場で謝礼を渡すケースも多いです。
企業がアンケートを実施する際、「謝礼あり」「謝礼なし」のどちらにするかを迷うこともあるでしょう!謝礼を渡すとなれば必然的にコストがかかりますが、以下のようなメリットが期待できます。
アンケートモニターで謝礼を渡す場合、謝礼なしと比べるとモニターを確保しやすいというメリットがあります。アンケートに答える消費者としては、「アンケートに答えた時間や手間の分、お返しがもらえる」のは大きなポイント!アンケートを実施する際、モニター数の少なさを課題とする企業も少なくありません。いくら簡単なアンケートだったとしても、最終的に回答してくれるかどうか?はモニターの気持ちにかかっています。謝礼があれば、アンケートに答えるか迷っている人の背中を押すことになり、モニター数を増やしやすくなります。
もう1つのメリットは、謝礼を渡すことで有効な回答数が増え、質の良いデータが集めやすくなることです。アンケートモニターの回答は「消費者のダイレクトな意見」のため、より良いサービス提供に役立てることができます。謝礼があることで質の良いデータが集まれば、マーケティングに活かしやすくなるでしょう!
アンケートの謝礼内容は企画によってさまざまですが、大きく以下の2つに分けられます。
1つ目は、『現金』や『ギフトカード』『ポイント』を渡す、金銭的な謝礼の方法です。現金やポイントは受け取った人が使い道を考えられるため、誰にでも喜ばれやすい謝礼といえるでしょう。ただし回答率は金額によって変わることも多く、謝礼が高すぎるとコストを圧迫しますし、安すぎると回答率が下がりかねません…。アンケート調査にかける予算のなかで「いかに最適な金額に設定できるか?」が企画成功の鍵を握ります。
もう1つは、『特典』『記念品』や『イベントへの参加権利』などの金銭以外の謝礼です。特典や記念品を謝礼にする場合、自社商品やサービスを使えばコストをおさえつつ宣伝もできるので一石二鳥!ただし特定の商品やサービスを謝礼にすると、ある程度ターゲットが絞られてしまいます。広範囲を対象としたアンケートでは金銭的インセンティブ、対象者が限られているアンケートには非金銭的インセンティブを用いるなど、使い分けることで効率よく実施できるでしょう!
また、最近ではデジタルでインセンティブを渡す企業も増えています。現金やギフトカード、実物の商品を用意する必要がなく、オンラインで完結するため手間が省けるという良さがあります。
アンケートモニターへの謝礼のメリットは大きなものですが、いくつかの注意点もあります。謝礼の効果を最大限引き出せるように、以下のポイントに気をつけましょう!
アンケートの謝礼の内容は、モニターの属性に合ったものを選ぶのがベストです。属性に合っていない謝礼を用意しても「いらない」と判断されてしまい、回答率が下がりかねません。また、モニターの属性と異なる謝礼を用意すると、想定しているターゲットではない層がアンケートに回答してしまう可能性も…。想定するターゲットの回答率を上げるためにも、モニターの属性に響く謝礼品を用意することが重要です。
氏名や住所、電話番号などの個人情報を記入してもらうアンケートでは、個人情報の管理を徹底する必要があります。当然ですが、個人情報の流出は企業の信用問題に直結します。アンケート調査以外では個人情報を使用しないことや、流出防止のためにどのような対策をしているかなど、モニターにわかるように明記しておきましょう!
抽選で対象者を選んで謝礼を渡す場合は『景品法』に該当するケースもあり、注意が必要です。モニター全員への謝礼に景品法は適用されませんが、くじなどの抽選形式では「一般懸賞」になるため景品法が適用されます。一般懸賞での謝礼金額には限度額が定められており、取引額が5,000円未満ならその20倍、5,000円以上では10万円までとなります。また、継続的なアンケートを通じて取引を続けると見なされる場合も、景品法に抵触することがあります。この場合は「顧客を誘引するための手段として謝礼を提供している」と見なされるので、注意しましょう。
参考:消費者庁「景品規制の概要」
参考:消費者庁「景品類等の指定の告示の運用基準について」
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